アーバン設計

業務内容 - 土木部門 -

木橋の基準書と点検

国内の橋梁数

L≧2.0m 約70万橋
うちL≧15.0m 約15.7万橋

その橋梁が50年に到達する数

L≧2.0m L≧15.0m
現在 約6.4万橋 約1.5万橋
10年後 約16.0万橋 約4.4万橋
20年後 約26.0万橋 約8.4万橋

国内の木橋

国土交通省道路局地方道環境課:2,133橋 (0.3%)
林野庁木材流通課      :551橋
※ 平成17年データより

福島県内の木橋

福島県内 82橋
福島市 41橋
田村市 10橋
その他 31橋

※但し、農・林道橋は含まない

木橋の事例

桁形式

片浅橋形式

トラス形式

アーチ形式

斜張橋

吊り橋

木橋に関係する諸団体

  • 木橋技術基準検討委員会
    平成6年度に(財)国土開発技術研究センター内に設置され、モデル木橋を設定し、設計・実務を通して技術基準の検討をしている
  • 木橋技術小委員会
    木橋の設計・技術論、啓蒙的な木橋架設事例集、ユーロコード完訳、規格の比較、新技術開発等を目的に平成4年に設立(限界状態・性能照査型・耐久等の設計論、施工・維持管理・健全度評価等の基準の整備等)
  • 木橋技術協会
    木橋の普及・啓蒙を目的に平成11年に設立した民間団体

示方書の変遷

昭和15年:「木道路橋設計示方書案」-内務省

集成材技術・防腐処理技術の発達と普及
木材の国際基準化・円安による海外からの圧力

48~50年に亘り木橋の基準なし ※昭和31年の示方書から削除

平成15年:「木歩道橋設計・施工に関する技術資料」-(財)国土技術研究センター
平成17年:「木橋技術の手引き2005」-(社)土木学会鋼構造委員会・木橋技術委員会

現在の木橋の点検マニュアル

  • 「木橋技術の手引き2005」
    土木学会・木橋技術小委員会,平成17年7月
  • 「木橋の点検マニュアル・第2版」
    木橋技術協会,平成21年6月
    ※国交省都市局が策定している「公園施設の長寿命化策定指針(案)」において木橋の点検には、木橋技術協会発刊の「木橋の点検マニュアル・第2版」を使用することと規定されている。尚、点検は「木橋点検士」が行うこととなっている。
    ※磐梯朝日、尾瀬、日光、十和田八幡平、三陸復興等

点検の種類

点検方法

  • 定性的な点検
    主観的な判断( 一次調査 ) ・目視、蝕診、刺診、打診
  • 定量的な点検
    数値で表示 ( 二次調査 ) ・含水率測定、ドリル穿孔試験 ・打込み深さ測定、超音波検査
  • 測定試験
    初期データと対比し経年変化を追跡 ・形状測定、載荷試験、振動試験

詳細点検(潮風橋のケース)

外観調査

目視調査

変色、干割れ、欠損、ささくれ、水はけ状況、金具の弛み 等

▲クラック・スケール

打診調査

テストハンマーによる打撃音や反発程度で状況・範囲・規模 等

▲テスト・ハンマー

刺診調査

ドライバー、ピロディン等で腐朽の深さ、ピンの打込み深さを測定する≦40mm

▲ピロディン

部材品質調査

伝播速度試験

部材に縦波を通過させ、健全部と劣化部の伝播時間の差で劣化度を予想

▲ファコップ

伝播速度試験

部材に超音波を通過させ、健全部と劣化部の伝播時間の差で劣化度を予想

▲シルバテスタ

▲パンジット

穿孔抵抗値測定

ドリルの刃を部材に一低速度で穿孔させ、刃の先端にかかる抵抗値により部材の密度状態から劣化度を判定する。

▲レジストグラフ

含水率試験

腐朽菌・カビの発生が劣化の主な要因で、適度な水分が影響するため、含水率測定により腐朽発生の予測や聴講の確認を行う。

▲水分計

木橋の点検マニュアル

木橋技術の手引き2005

定期点検チェックリスト

健全度の判定区分と基準

木材とコンクリートの強度の比較

木材とコンクリートは 同等の強度を有している

曲げ 圧縮 引張り せん断
木材* 5.7 4.5 3.5 0.46
木材** 8.8 6.9 7.8 1.2
コンクリート*** 6.9 5.4 - 0.4

*  建築基準法施工例による。スギ無等級材の長期強度、湿潤状態の場合。

**  木道路橋設計による。スギの場合。

*** 旧建設省河川砂防技術基準(案)、1997年。

木橋点検の現状と課題

・発注機関、コンサルタント、製材加工業者、
 施行業者の悩み


1.予算がない
2.示方書・指針がない
3.計算・図面が描けない
4.製材加工ができない
5.施行ができない
6.見積ができない